今から少し前の話。友達の勧めで初めて「鍼術」を試してみることになった。疲れやストレスが溜まっていたし、何か新しい体験が欲しかったんだ。
治療院に入ると、落ち着いた雰囲気と心地よい香りが迎えてくれた。施術室に通され、先生（鍼灸師）が細かい質問をしてくれた。仕事のストレス、体調の変化などを伝えると、先生は微笑みながら丁寧に説明してくれた。
そして、いざ始まる鍼術。ベッドに横になり、先生が使う道具が気になって仕方なかった。でも、不思議なことにワクワクしていた。最初は緊張していたけれど、先生のリラックスした雰囲気が伝染して、自分も安心してきた。
最初の鍼が刺さる瞬間、正直ビクッとした。でも、それ以上に驚いたのは、鍼が入ると同時に体の緊張がどこかへ行ってしまったことだ。不思議な感覚だったけれど、リラックスした空間で自分の体と向き合えたのは初めての経験だった。
先生が鍼を刺したり、体に優しく触れたりするうちに、心地よい眠気が押し寄せてきた。自分でも気づかないうちに、何だか夢の中にいるような感覚に包まれていた。そんな中、先生が「気の流れが整ってきましたね」と微笑む声が聞こえてきた。
終わった後、身体が軽くなったような感覚が広がっていた。何とも言えない爽快感が心地よく、翌日から仕事も何かと順調だった。友達が「これが鍼術の効果だよ」と笑いながら教えてくれた。
以来、不定期に鍼術を受けるようになり、その度に新しい発見や体験が待っている。何よりも、現代の喧噪から離れて、自分と向き合える時間をもらえることが魅力だと感じている。鍼術、まさに現代人の心と体に優しいアドベンチャーだ。
